ABLの審査期間はどれくらい?
ABL(Asset Based Lending/売掛金担保融資)を検討する際、多くの企業が気にするのが「審査にどれくらい時間がかかるか」という点です。
資金需要のタイミングによっては、審査期間の見通しが立たないだけで意思決定が難しくなります。
本記事では、ABLの審査期間の目安と、期間が延びる要因・短縮するための準備を実務目線で解説します。
ABLの審査期間は「担保評価」と「管理体制確認」で変わる
ABLは、売掛金や在庫などの流動資産を担保として評価する融資です。
そのため、審査では財務諸表だけでなく、担保資産の内容確認や管理体制の確認が行われます。
このプロセスの重さによって、審査期間は大きく変動します。
一般的には、必要資料が揃っていて担保評価がスムーズに進むケースほど短く、資料不足や確認事項が多いほど長くなる傾向があります。
審査期間の目安(一般的なイメージ)
ABLの審査期間は、案件の内容や提供者(銀行・ノンバンク)によって異なります。
あくまで目安ですが、以下のようなイメージで考えると現実的です。
- 早いケース:数営業日〜2週間程度
- 標準的なケース:2週間〜1か月程度
- 長引くケース:1か月以上
「早いケース」は、売掛先が大手で回収実績が明確、提出資料が整っているなど、確認がシンプルな場合です。
一方「長引くケース」では、担保資産の評価が難しい、管理体制の整備が不十分、追加資料が多いといった事情が重なります。
審査の主なステップと時間がかかるポイント
ステップ① 事前相談・ヒアリング
まず、事業内容、資金使途、売掛金の状況、在庫の有無などをヒアリングします。
この段階で、ABLに適しているか、どの資産を担保とするかの方向性が決まります。
ステップ② 必要資料の提出
ABL審査では、決算書類に加えて、担保資産に関する資料の提出が必要になります。
例えば、売掛金台帳や請求書、入金実績、在庫台帳などです。
このステップで資料が揃わないと、審査期間は一気に伸びます。
ステップ③ 担保資産の評価
売掛金であれば売掛先の信用力、回収サイト、回収実績、集中状況などが確認されます。
在庫であれば市場性、陳腐化リスク、回転率、保管状況などが確認されます。
担保評価が難しい場合や、確認すべき売掛先が多い場合は、ここで時間がかかりやすくなります。
ステップ④ 管理体制・モニタリングの確認
ABLでは、融資後も担保資産を継続的に把握する必要があるため、管理体制が重要です。
売掛金台帳や在庫台帳の運用方法、定期報告の可否、数字の整合性などが確認されます。
管理体制が未整備の場合、整備のための追加対応が必要となり、審査期間が延びる要因になります。
ステップ⑤ 条件提示・契約手続き
評価がまとまると、融資条件(限度額、金利・手数料、報告頻度など)が提示されます。
条件合意後に契約書類の取り交わしを行い、融資実行へ進みます。
審査期間が長引く主な原因
ABLの審査が長引くケースには、共通する原因があります。
- 売掛金台帳・在庫台帳が整備されていない
- 売掛先が多数で確認対象が多い
- 売掛金の回収実績が不明確(入金と請求の紐づけが弱い)
- 在庫の換金性評価が難しい(専用品・滞留在庫が多い)
- 追加資料の提出が遅れる
特に、担保資産を「見える化」できていない場合は、審査が止まりやすい点に注意が必要です。
審査期間を短縮するためにできる準備
ABLの審査期間を短縮したい場合、事前準備が最も効果的です。
以下を整えるだけでも、審査のスピードは大きく変わります。
- 売掛金台帳を最新化し、請求書・入金実績と紐づける
- 主要な売掛先の取引実績(遅延なし等)を説明できるようにする
- 在庫を担保にする場合は在庫台帳と回転状況を整理する
- 提出資料の一覧を先に確認し、まとめて用意する
「資料を出してから考える」より、「最初に整えて一気に出す」方が結果として早く進みます。
まとめ
ABLの審査期間は、数営業日〜1か月程度まで幅があります。
担保資産の評価や管理体制の確認が必要なため、資料不足や整備不足があると長引く傾向があります。
審査期間を短縮するには、売掛金台帳・在庫台帳の整備、入金実績の整理、必要資料の準備が重要です。
資金需要のタイミングに合わせるためにも、早めに準備を進めることをおすすめします。
