ABLの手数料の内訳
ABL(Asset Based Lending/売掛金担保融資)を検討する際、金利と並んで重要なのが「手数料」です。
ABLは、担保資産の評価や継続的な管理を前提とする融資であるため、
一般的な融資と比べて手数料の項目が多くなる傾向があります。
本記事では、ABLで発生しやすい主な手数料の内訳と、実務上の注意点を整理します。
ABLでは「金利以外のコスト」が重要
ABLは担保を前提とした融資であるため、金利水準だけを見ると比較的低く感じられるケースがあります。
しかし、実務では金利以外の手数料を含めたトータルコストで判断することが重要です。
手数料の内容や金額は、提供者(銀行・ノンバンク)や契約条件によって異なります。
ABLで発生しやすい主な手数料
① 事務手数料(取扱手数料)
ABL契約時に発生する代表的な手数料が、事務手数料(取扱手数料)です。
融資契約の事務処理や審査に関する費用として設定されます。
金額は一定額の場合もあれば、融資額に対する割合(例:◯%)で設定されるケースもあります。
② 担保評価・デューデリジェンス費用
ABLでは、売掛金や在庫の内容を詳細に確認するため、
担保評価やデューデリジェンスに関する費用が発生することがあります。
具体的には、以下のような作業に対する費用です。
- 売掛金の内容確認・信用調査
- 在庫の評価・現地確認
- 第三者評価機関の利用
担保評価が複雑な案件ほど、この費用が高くなる傾向があります。
③ モニタリング・管理手数料
ABLでは、融資実行後も担保資産の状況を定期的に確認します。
そのため、モニタリングや管理に関する手数料が設定されるケースがあります。
例えば、以下のような対応が含まれます。
- 定期的な売掛金・在庫報告の確認
- 台帳チェックや数値の整合性確認
- 担保残高の見直し
この手数料は、月額固定で設定される場合や、融資額に応じて決まる場合があります。
④ 契約更新・条件変更に関する手数料
ABL契約の更新や、限度額変更、担保内容の変更を行う際に、
別途手数料が発生することがあります。
短期間で条件変更を繰り返す場合、想定以上にコストがかかる可能性があります。
銀行とノンバンクでの手数料の考え方の違い
手数料の考え方は、銀行とノンバンクで異なる傾向があります。
- 銀行:金利は低めだが、事務手数料や評価費用が発生するケース
- ノンバンク:金利は高めだが、手数料を包括的に設定するケース
どちらが有利かは、利用期間や融資額、担保内容によって変わります。
実質コストで比較する重要性
ABLを比較する際は、金利だけでなく、以下を含めた実質コストで判断する必要があります。
- 金利
- 初期手数料
- 継続的な管理・モニタリング費用
特に、短期間の利用では、初期手数料の影響が相対的に大きくなります。
手数料を抑えるための実務ポイント
ABLの手数料を抑えるためには、事前準備が重要です。
- 売掛金・在庫の内容を整理し、評価を簡素化する
- 台帳管理を整え、確認工数を減らす
- 契約条件や手数料項目を事前に明確にする
「あとから想定外の費用が発生した」という事態を防ぐためにも、
契約前に手数料の内訳を確認することが重要です。
まとめ
ABLでは、金利に加えて事務手数料、担保評価費用、モニタリング手数料などが発生することがあります。
そのため、金利だけでなくトータルコストで判断することが重要です。
ABLを検討する際は、手数料の内訳と発生タイミングを把握し、
自社にとって最適な条件かどうかを見極める必要があります。
