ABL(Asset Based Lending/売掛金担保融資)を検討する際、経営者や財務担当者が最も気にするポイントの一つが「金利や手数料はどれくらいかかるのか」という点です。ABLは不動産担保融資とは異なる仕組みを持つため、コスト構造も独特です。
本記事では、ABLにかかる金利・手数料の相場感を整理するとともに、コストが高くなる要因や、他の資金調達手段との比較について詳しく解説します。
ABL導入を進める前に、基本的な仕組みと注意点を整理しておきましょう。
ABLの金利相場とは
ABLの金利は、金融機関やノンバンク、企業の信用状況、担保資産の質によって異なりますが、一般的には年率2%〜6%程度が一つの目安とされています。
銀行が提供するABLの場合、通常のプロパー融資よりやや高めの金利設定となることが多く、ノンバンク系ABLではさらに高くなるケースもあります。ただし、ファクタリングと比較すると、長期的なコストは抑えられる傾向にあります。
ABLで発生する主な手数料
ABLでは、金利以外にも複数の手数料が発生します。これらを正しく理解しておかないと、想定以上のコストになる可能性があります。
契約事務手数料
ABL契約を締結する際に発生する初期費用です。数万円〜数十万円程度が一般的で、融資額や契約内容によって異なります。
担保評価手数料
売掛金や在庫を評価するための手数料です。初回だけでなく、定期的な再評価の際にも発生することがあります。
モニタリング・管理手数料
ABLでは、担保資産の状況を継続的に確認する必要があります。そのため、月額または年額で管理手数料が設定されるケースがあります。
コストが高くなりやすいケース
ABLのコストは、すべての企業で一律というわけではありません。以下のような条件が重なると、金利や手数料が高くなる傾向があります。
- 売掛先の信用力が低い
- 在庫評価が複雑
- 管理資料の整備に手間がかかる
- 融資金額が小さい
特に、担保資産の内容が複雑な場合や、管理体制が未整備の場合は、金融機関側の負担が増えるため、その分コストに反映されやすくなります。
他の資金調達手段とのコスト比較
銀行融資との比較
通常の銀行融資は、金利が1%台〜2%台と低いケースが多い一方、不動産担保や保証が求められることが一般的です。ABLは金利面ではやや不利ですが、担保条件の柔軟性というメリットがあります。
ファクタリングとの比較
ファクタリングは手数料が数%〜20%程度と幅が広く、短期的な資金調達ではABLより高コストになるケースもあります。ABLは中長期利用に向いています。
ABLコストを抑えるためのポイント
ABLを導入する際、以下のポイントを意識することでコストを抑えられる可能性があります。
- 売掛金・在庫の管理体制を整備する
- 信用力の高い売掛先を増やす
- 複数の金融機関を比較検討する
特に、日常的な管理体制の整備は、長期的に見てコスト削減につながります。
ABLは「総コスト」で判断する
ABLのコストは、金利や手数料単体で判断するのではなく、資金調達の安定性や事業成長への寄与といった要素も含めて総合的に評価する必要があります。
まとめ
ABLの金利・手数料は、一般的な銀行融資より高めに設定される傾向がありますが、ファクタリングよりは低コストで利用できるケースが多くあります。自社の資金ニーズや管理体制を踏まえ、最適な条件で導入を検討することが重要です。

