ABLの金利相場
ABL(Asset Based Lending/売掛金担保融資)を検討する際、最も気になる要素のひとつが「金利」です。
ABLは担保を前提とした融資であるため、無担保融資とは金利水準や考え方が異なります。
本記事では、ABLの金利相場の目安と、金利が決まる要因、実務上の注意点を整理します。
ABLの金利は一律ではない
ABLの金利は、あらかじめ決められた固定的な水準が存在するわけではありません。
担保となる資産の内容、提供者(銀行・ノンバンク)、企業の状況などを踏まえて個別に設定されます。
そのため、「ABLの金利はいくらか」という問いに対しては、
相場感を理解したうえで、自社条件によるブレ幅を把握することが重要になります。
ABLの金利相場の目安
実務上よく見られるABLの金利水準は、以下が一つの目安となります。
- 銀行のABL:年1%台後半〜4%程度
- ノンバンクのABL:年4%〜10%程度
これはあくまで一般的なレンジであり、案件内容によって上下します。
担保評価が高く、管理体制が整っている場合は、低い水準での提示となる可能性があります。
金利に影響する主な要因
担保となる売掛金の質
ABLの金利に最も影響するのが、担保となる売掛金の質です。
- 売掛先の信用力
- 回収サイトの長短
- 回収実績の安定性
- 売掛先の分散状況
売掛先が大手企業で回収実績が安定している場合、リスクが低いと判断され、
金利は低めに設定されやすくなります。
在庫を担保に含めるかどうか
在庫を担保に含める場合、売掛金のみの場合と比べて金利が高くなる傾向があります。
これは、在庫は換金性や評価の不確実性が高いためです。
在庫の種類や回転率、市場性によって、金利条件に差が出る点には注意が必要です。
提供者(銀行かノンバンクか)
銀行とノンバンクでは、リスクの取り方が異なります。
銀行は低金利である一方、審査が慎重になりやすく、
ノンバンクは柔軟な対応が可能な反面、金利が高めに設定される傾向があります。
企業の財務状況・管理体制
ABLでは担保重視とはいえ、企業の管理体制や資金繰り状況も金利に影響します。
- 売掛金台帳・在庫台帳の整備状況
- 定期的な報告体制の有無
- 資金繰りの安定性
管理体制が整っている企業ほど、リスクが低いと判断され、金利条件が改善されやすくなります。
ABLの金利と他の資金調達手段との比較
ABLの金利は、他の資金調達手段と比較すると中間的な位置づけになることが多いです。
- 銀行の無担保融資:低いが審査が厳しい
- ABL:担保前提で比較的低水準
- ファクタリング:金利換算では高くなりやすい
金利だけでなく、調達スピードや利用期間、資金使途を踏まえて総合的に判断する必要があります。
金利以外に注意すべきコスト
ABLを検討する際は、金利だけでなく、その他のコストにも注意が必要です。
- 事務手数料
- 担保評価費用
- モニタリング・報告関連費用
これらは別途発生することが多く、実質的な調達コストに影響します。
金利を抑えるためにできること
ABLの金利を抑えるためには、以下の点が有効です。
- 売掛金の回収実績を整理して提示する
- 売掛先の分散を進める
- 台帳管理を整備し、情報開示をスムーズにする
リスクを低く見せることが、結果として金利条件の改善につながります。
まとめ
ABLの金利相場は、銀行であれば年1%台後半〜4%程度、
ノンバンクでは年4%〜10%程度が一つの目安です。
ただし、担保資産の質や管理体制によって条件は大きく変わります。
金利だけに注目するのではなく、トータルコストと利用目的を踏まえて検討することが重要です。
